得意教科をつくって自信をつける

query_builder 2015/06/04
受験全般
得意

とても楽観的か放任主義の方以外は「受験勉強が順調にいっている」とは思えないのではないでしょうか。

他人の芝生は青く見えるというように、優秀なお子様とそのご家庭は悠々と日々を過ごしていると思われますが、高いレベルでいろいろな悩みと戦っていることでしょう。

まわりからは優秀な生徒さんに見えても、ヤル気スイッチが入ってくれたらとか、モチベーションアップさせる方法とか、いろいろ試行錯誤していることでしょう。


気の持ち方、捉え方、接し方を探って、心理学系の書物に目を通すのも有効かと思われます。

しかし、先日、心理学系の「得意科目をつくって、他の教科につなげていこう」 というものを見てしまいました。

一見すると、正しいことを言っているようですが、なんかピンときません。


  1. もとから得意科目がある人はどうするのか?
  2. 全教科バランス良く順調な場合も当てはまるのか?
  3. 全教科低迷している場合に当てはまるのか?


どういう場合にあてはまるのかを定義されていないと、絵空事のような気がしてしまいます。

そもそも私は心理学者というものを権威と崇拝しているわけではありません。

机上の空論と、それを正論にする都合の良いデータを集めて論文を書いているイメージがあります。


何年か前に、アメリカの大学教授チームが、算数、数学は男子より女子の方ができるという論文を発表したらしいです。

日能研の受験情報誌に載っていました。

公立小学校程度のテストならば、そういう現象が起こるのかもしれませんが、それは算数・数学力ではない力です。

ちゃんと勉強に取り組んで、普通の計算ができるかです。


大学教授が研究したものだから正しいということはなく、あきらかに誤っています。

それを載せてしまう日能研の意図が分かりませんでしたが、算数で苦戦して諦めかけている女子に「君たちは潜在的に算数ができるんだぞ!」と言いたかったのでしょうか。

授業中に、権威より感性を重視する女子生徒に言ったら、「嘘だ!」というブーイング間違いなしです。


話を戻します。

1のもとから得意科目がある子は、それを伸ばせば良いわけではありません。

勉強時間の科目バランスは崩すことはありませんが、弱い科目は、保護者が手伝うべきです。

弱い科目は、


授業中の吸収力が低い

家での勉強の仕方が悪いor時間をかけていない


この両方があてはまります。

お子様に任せていても上達する可能性は高いとは言えません。

授業中の吸収力を上げるのは保護者にはできませんが、家での勉強の仕方の改善は可能です。

学年が進んで行くにつれ、親の介入を嫌がるお子様が増えていきます。

しかし、それは全教科介入されると息苦しいということだと思います。

得意教科は任せる、苦手科目は支える というメリハリをつけて、管理していくことが大切です。


塾講師はなぜか「手を放してください」という講師が多いですが、保護者がしっかり支え、成績が上昇する塾生に対しては「さすが、お母様!」と褒め称えます。

手を放して欲しい理由は、過度の依存心や、親子トラブルを避けたいからです。

学習効果がないと言っているわけではありません。


2は、せっかくバランスが良いのなら、このままの状態で受験まで突入して欲しいです。

4、5年生なら、この先、どの教科も発展していきますので、安穏と過ごせるわけではありませんが、あえて得意科目をつくる必要はないと思います。

普通に勉強していって、自信がついて得意科目になったのなら良いですが、例えば「算数は大切だからこの科目は得意科目にしなければ!」というような特別な感情は必要ないです。


最後は3の全教科低迷している場合です。 恐らく心理学的には、この3のケースのことかと思います。

では、仮に算数が得意になるようにがんばって得意になったとします。

イメージでいうと、算数だけ偏差値55で、他は偏差値40とします。


これで自信をつけて、あるいは努力する習慣がつき、国社理も偏差値50くらいに上がっていくでしょうか?

「僕、算数は得意だ!」と思って終わりで、「他教科も算数みたいに頑張る!」とはならないような気がします。


ちょっとしたコツを掴み、労力をそれほどかけずに算数が得意になっていったのなら、他の3教科も上手く軌道に乗せることができるかもしれませんが、それは子どもにセンスがあってのことか、良い指導者に巡り会えたときです。

他につなげていくのは難しいです。


しかし、得意科目をつくらないで、4教科バランスよく勉強を続けていったとしても、改善の見込みはありそうには思えません。


このままだと埒があかないので、解決策を考えていきます。

得意教科をつくるために1教科に集中という作戦はありです。

しかし、他の教科に波及するなどと色気を出さずにその教科を武器に戦って行く姿勢が良いと思います。


そうしたら、その集中する科目は、やはり算数です。

国語でも良いのですが、算数の方が国語より得意科目になりやすいです。

それは国語の講師も否定しないでしょう。


ポイントは前述のように、算数に偏重しすぎず、巧みに引き上げていくことです。

そこで負担をかけすぎると、本当に算数だけで終わってしまいます。


例えば、入試の配点で考えてみます。4教科にすると混乱するので、算数と社会だけにします。 理科は算数と連動する要素があり、国語は算数と配点が同じなので避けました。


算数が100点満点、社会が60点満点だったとします。


算数は、得意80点、普通70点、苦手40点

社会は、得意50点、普通40点、苦手30点


くらいになるとします。

算社で110点を取るのがボーダーだとすると、算数が苦手ならボーダーにまるで届かないのに対し、算数が得意で80点を取れるのなら希望はでてきます。

また、算数が得意になると、理科にも好影響を与えることも希望につながる要因です。

どの教科も低迷している場合は「まず算数」 でも、それだけで終わらないように、負担をかけずに巧みに勉強していきますが、万が一上手く行かずに算数だけの人になってしまっても勝算ありです。


心理学の1教科得意になれば自信が出て、他の科目に波及していくことには肯定はできませんが、まず算数に絞ってがんばるという作戦はありだと思います。


心理学の本をサラッと読んで「そうか、得意科目をしっかりやれば良いんだ!」と思って実行してしまうと失敗する可能性が高いです。

「好きなもの」をがんばるかどうかは受験生にとって大した意味を持つわけではなく、「必要なもの」をがんばることが大切です。

必要なものは何かというのはお子様の状況次第になります。