かけ算の順序は大切?

query_builder 2021/04/19
算数全般
かけ算

ときどき、かけ算の問題が賛否両論で物議を醸します。

それについて、私見を述べていきます。

あくまでも私見ですので、合う合わないがあるかもしれません。

ご了承願います。


100円のリンゴが5個あって、合計はいくら?という問題があります。

解答は「100×5=500円」です。


もちろんこれで終わりではありません。

生徒が、これを「5×100=500円」にしたらどうなのか? という問題です。


  • 答えが合っているから、○
  • 式を重視しているから、△
  • 悪い癖をつけないように厳しく、×


すべての可能性があります。

しかし、これを「△」とか「×」にすると、大人には評判が悪いようです。


  • 答えは合っていて、間違えたことをやっていないから、当然、○
  • これで×にしたら、納得がいかず、数学嫌いになる
  • かけ算には交換法則があるから、当然、○


このあたりの理由になります。

私個人的には「100×5」と「5×100」は異なるものだと思っています。


算数は「かける」は「倍」という使い方をしています。

100×5と言えば、100の5倍なので、100+100+100+100+100のことです。

これを無視して、交換法則を持ち出すのは、イメージする習慣をなくすという弊害があるような気がします。


数学は立式し、それに当てはめて、あとは計算の処理という科目ですが、いきなり数学を学習すると、イメージする習慣はなかなか育ちません。


イメージする力を育てるために、中学受験の算数に取り組んでいると言っても過言ではありません。

理系のセンスがあれば、易しい中学の数学でイメージすることができますが、そうでない人は、中学受験の算数が最大のチャンスです。

そのときに、イメージなしで、答えが合う方法ならば何でも良いとしてしまうのはもったいないとしか言い様がないです。


100円が5個なら、100円の5倍という意味になるから「100×5=500円」とするだけです。

これを「100×5=500円」を見たときに、100円のものが5個あるんだなとイメージできることが大切というわけです。

「100×5=500円」と「5×100=500円」では、イメージするものが異なります。

どちらも答えが500になるんだから、式なんて一緒というわけではありません。


イメージさえできれば、かけ算の順序にこだわらなくても良いですが、大人が思う以上にイメージはしにくいです。


こういう話になると、長方形の面積の話に切り替える人もいますが、それも考え方はほぼ同じです。

長方形の場合も、「100×5」と「5×100」を見たときに、式からイメージするものは異なります。

しかし、「縦100個を5列」と考えても「横5個を100行」と考えてもいいので、「縦×横」でも「横×縦」でも、どちらの式が良いというものはありません。

イメージができていればどちらで見てもいいです。


講師が指導するときは、統一感から生まれる安定感を求め、「縦×横」で統一すると思いますが、それは講師都合の話です。


冒頭の問題で「5×100=500」にしたからといって、△や×にしなくて良いと思います。

理由は、算数はそこまでルールが厳密ではないと思っているからです。

ルールを守るよりも、発想を大切にし、解きやすさ、考えやすさを大切にしたいからです。


「100×5」と見たときに「100円が5個」とイメージすることが大切で、「100円が5個」だったら、「100×5」か「5×100」のどっちの式を書くべきか?と考える必要はないと思います。


講師は「100円が5個なら100×5だね」と常に言い、イメージが固まるような指導は必要ですが、子どももそうしなければいけないわけではありません。

大切なのは、式の順序ではなく、イメージする習慣です。

イメージが固まれば、100円が5個なら、自然と「100×5」になりますが、あくまでも「自然と」が大切です。


話が少々逸れますが、ルールが出てきたついでに書きます。

ルール通りにしっかり計算するのは、数学になってからで良いと思います。

最低限、四則演算や( )や{ }のルールは正解を求めるために必要ですが、それ以上のことは拘る必要もないと思いますし、求められてもいないと思います。


私は、入試レベルの四則演算はトーナメント方式で解くように指導していますが、数学の作法に則って解くとしたら、トーナメントみたいなインチキなものは通用しません。


今回のかけ算の順序や、式の書き方は、算数講師によって考え方が大きく異なる部分だと思います。

現在、お通いの塾の担当講師や、家庭教師などに考えを聞いてみるのもプラスになると思います。