算数のノートの取り方

query_builder 2015/02/08
算数全般
ノートを取る

まず、誤解のないように書いておきますが、各科目でノートに対する位置づけはまったく異なります。

今回書きますのは、算数についてのみです。


ノートを取る機会は以下の3点だと思います。


  1. 授業中、板書を写す
  2. 家で整理する
  3. 問題を解くときに、途中の図や式を書く


普通、ノートを取るというと、1の授業中か、2の復習のときのイメージがあると思います。


1から述べていきます。

授業中にノートを取るというのはとても難しいことです。

講師によっては、授業中にノートを取る時間を与えてくれます。

しかし、その時間は授業が中断して、もったいない光景でもあります。

力量のある講師はノートを取る時間を与えてくれない傾向があります。


どうしてノートを取る時間を与えてくれる講師がいるのかというと、クレーム対策です。

ノートを取る時間を欲しいと保護者に言われるからです。

やや脱線しますが、どうして、保護者はノートを取る時間が欲しいと思うのでしょうか?


塾の新人研修で聞くような内容です。

それは、


  • 家で教えるときにノートを参考にしたい
  • ノートを取れば、少しは宿題がしやすくなる気がする


この2点の理由だと思います。

公立中だと、内申に響くからという本末転倒な理由もあると思います。

宿題ができない、そして、ノートも取っていないというと、塾に行っても無駄だと思ってしまうのかもしれません。


私のイメージとしては、授業中にノートを取る時間を与える講師は「成績上昇<ノンクレーム」のように思います。


ここからは、授業中にノートを取る時間をほとんど与えない講師のケースについて書いていきます。

優秀な子は、説明のときはノートは取らずに前傾姿勢で一瞬の隙も見せずに講師の話を聴きます。

授業中に下を向いてノートを取っていたら、応用力につながる深い話はほぼ残らないと思います。

算数は「問題を解く→解説を聴く」の繰り返しになります。


解説はしっかり聴くことに専念したとしても、次の問題を解く時間にまだノートを取っていると、これもまた長い目で見るとマイナスです。


解説が始まる前に、試行錯誤して問題を解くことはとても重要です。

よく話題に出す前職の上司と仲の良かったころ、上司の担当クラスのサブ的なことをやらされました。

普通に説明しているときは、その生徒たちはとても姿勢が良いのです。

みんな手は膝の上、体は床と垂直。


ところがちょっと大事なことを言ったりするとスイッチが入ったみたいに、クラス全員が同時に手を動かし始めて凄い勢いでノートを取るのです。

15秒くらいでまた元の状態に戻ります。

書くスピードは異なるので、終わりはスタートみたいには揃いません。


板書を書くのではなく、話し言葉で重要なところをノートに書くというスタイルです。

一斉に同じ行動をするのは奇妙な光景でしたが、なかなか鍛えられていました。

ほぼ全員第一志望校に受かったクラスだと思います。


どこの塾でも解説は配付されますので、授業中はこんな感じで良いと思います。

板書の図や式は解説に載っているはずです。

基本は聴くだけで、重要なキーワードがあったら、その言葉だけ走り書きしておく。


ちなみに私も入試報告会などに忍び込むと、そんな感じでメモを取ります。

自宅に戻り、忘れないうちにブログを書くと、かなり書けるものです。

そして、まわりのお母様たちとメモを取るタイミングはかなりズレていると思います。


2に移ります。

家でノートにまとめる時間があったら、問題を1問でも多く解きなさい。

これはほとんどの講師がそう言うでしょう。

色の使い方に凝っているノートは学習効果が低いのは明白でしょう。


理科や社会であれば、分かりやすく整理してまとめていくことも有効かもしれませんが、算数は有効ではないと考えています。

理科でも、電流やてこや滑車などは、ノートにまとめるより、一に演習、二に演習、三四がなくて五に演習になると思います。


算数でまとめるとすると、主に「公式」「定理」「法則」などになると思いますが、それを書いても、対効果は低すぎると思います。


例えるとすると、英語の学習の一環で、英単語や文法を一生懸命ノートにまとめたとします。

そして、いざ実戦ということで、アメリカに丸腰で行ったとします。英単語や英文法をノートにまとめたことが全くの無駄とは言いませんが、あまり役に立たないと思います。

ゼロよりは良いという話ではなく、効率の良い学習を考えた場合の話です。


ここで少し脱線したいのですが、塾講師は効率の良い学習というフレーズを嫌がる場合があります。

「効率よく覚えたら、効率よく忘れる」という格言を生み出して使っている講師もいました。

ここで毛嫌いされている「効率よい」というのは、次の復習テストが賞味期限ギリギリとなるような学習のことです。

中高生の悪い見本の一夜漬けなどと同類です。

ここではそういう一夜漬けレベルの効率の良い学習ではなく、同じ学習時間で、より効果の出る勉強のことを指しています。


中学入試の算数は、外国に行ってネイティブスピーカーと対等に会話するくらいのスキルが必要です。

ノートはあまり役に立たず、頼りになるのは、問題演習で培った解ききる力です。



3です。

ノートに問題を解くメリットとデメリットです。


広々と途中の図や式を書けることが、ノートの最大のメリットです。


デメリットは、管理しにくいことと複雑な図形の問題を解きにくいことです。


図をかく力は大切なので、複雑な図をかくのは避けたとしても、すべての作図を避けていたら、大きなマイナスです。

例えば、立体図形の問題で、自力で平面図形をかいて解くケースは多いです。

また、速さの図やダイヤグラムも図をかく力が求められます。

図形の移動などは、最も作図力を試されます。


普段からノートに図をかく習慣のある生徒さんは、作図力が高まります。

その意味では、ノートを使うメリットに、作図の練習ができるということも含めて良いかもしれません。


デメリットにあげた管理は、あまり必要ありません。

もちろんお子様の性格次第で、「ときどき自分の書いたノートを振り返った方が効果がある」と思う人は振り返って欲しいと思いますし、そう思わなければ振り返らなくていいと思います。

そこには優劣はないと思います。


振り返るタイプなら、問題はすぐ上か隣に貼っておいた方が良いでしょう。

熱心な保護者はコピーを使わず、直筆で、ボールペンで問題を書き写しているケースがありますが、それを見るごとに私は、切なくなるというか、身の引き締まる思いがしました。

講師の中にはその行為を笑い飛ばしている不届き者もいますが、お子様のために、そこまで頑張る保護者の心情を想像したら、どうしてそれを笑えるんだ?と思っていました。


やや脱線し気味でしたが、もとに戻ります。

ノートを使って広々としたスペースに解くことは、以下の効能があります。


  • 解法テクニックの向上
  • 頭を整理できる
  • 定着力アップ


この3点について1つ1つ見ていきます。


解法テクニックの向上とは、典型題を解く過程が身につくだけでなく、書き慣れていくことによって、初見の問題のときに「こういうように書いたら解けるかも?」というセンスが上がります。

大事な線や補助線に色を使うのも、このカテゴリーになると思います。


初見の問題を解く場合でも、記録を残す感覚でしっかり解き方を書いていくと良いと思います。 経験値を上げられ、センスアップにつながる可能性があります。


よく塾講師は、分からなくても、分かるところまで書いて!と言いますが、こういうことなのです。


頭を整理できるとは、整えて、上から順に、左から順に書くことによって、筋道をハッキリさせ、混乱しにくくなります。

筆算は枠の外に追いやらないで、流れの中に筆算も入れます。

こう書くと書いてきた順番が分かりやすい!というようなセンサーを働かせることがポイントです。

雪道を歩いてきたかのように、くっきり足跡が分かるような解き方を目指してください。


ミスがあったときに、どこで間違えたか分かりやすいこともありますが、あくまでもそれは副産物です。

それを目的に、整えて書くわけではありません。


定着力アップとは、書いて覚えるということです。

重要に思ったところや、間違いやすいところに赤ペンで注釈をつけるとか キーワードを書くことなども含まれます。


私は、スカイプ指導などで、解き方を書く欄は正方形になるようにするとバランスが良いと伝えています。


図をかいたり、表を書いたり、適切なものを書いていくと、正方形に象られていきます。

事前にノートに枠を作っておきたい人は、大きめの正方形の枠を作ると良いと思います。

その中に綺麗に収めていくのが、最も考えやすく整理された書き方だと思います。


6年生の夏くらいまでは、プリントに書き込みではなく、ノートに解く習慣をつけると良いと思います。