応用問題は何分くらい考えるべきか

query_builder 2015/03/22
算数全般
砂時計

表題のご質問があったとして、答えていきたいと思います。


と書きましたが、はっきり10分とか15分と答えることはできません。

問題のタイプにもよりますが、それ以上にお子様のタイプによるからです。

1つ言えることは、しっかり考えれば、考えれば考えるほど思考力がつきます。


立体図形は本気で眺めているとだんだん見えていきます。

にわかには信じがたいですが、事実です。


どんな解法だとしても自分なりにしっかり考えて、答えを出すことはとてもプラスになります。

それが誤答だったとしてもです。

かけたエネルギーが栄養となって吸収されます。


しかし、それは「しっかり考えれば」ということが前提で、机に向かって問題を見ているだけではしっかり考えているとは言えません。

いろいろ試してはやり直しのくり返しで、少なくともノートに字がドンドン書かれないとおかしいです。

やり直す場合でも、いままで書いたことが30%くらいは使える場合があるので、消しゴムで消すことなく新たに書き直すことになります。

消しゴムで消しているようでは、栄養になるような考え方ができていないと思います。


そういうトライ&エラーをくり返して、粘り強く考えることができるのは、才能と言っても良いと思います。

個性、素質そういった類いのものです。


それを一律で「15分考えたら終わり」と指示してしまうと、個性が育ちません。

才能に磨きがかかりません。

野茂とかイチローをイメージしてくだされば言っていることは伝わるのではないでしょうか。

「15分で終わり」というのは「トルネード!?捻りを入れるな!!」という感じです。


しかし、お子様によっては、考えることができないタイプもいます。

というか、考えられる子は才能があるわけで、考えることができない子の方が多いです。

考えている体勢であっても、考えていないタイプももちろん含まれます。


そういった子は2分で終了でいいと思います。

そしてすぐに解説を見るでいいです。

おそらく、これは算数講師で意見の分かれるところだと思います。

5分考えるとか、10分考えるとか、解説を見ないで質問とか…


2分でも5分でも10分でも同じことしか考えてないのなら、短い方がいいというのが私の意見です。

2分考えたら解説を少し見て、1つ壁を越えたらまた解説を放して自力で解いて欲しいのです。 「フィニッシュは自分で決めろ!」をスローガンに掲げたいくらいです。

質問でもそうです。

私は最後まで答えは言いません。

途中まで説明して「この後は分かる?」とくり返し言います。

生徒が「多分大丈夫です」と言った時点で質問の説明終了とします。


そのとき1つポイントがあるのですが、「途中でつまづいたら、またすぐに来なさい」と言うことです。

子どもはプライドがあるのか、同じ問題で2回、3回質問をすることを嫌がる傾向があります。

恥ずかしいのかもしれません。

それを恥ずかしいことではないと理解してもらわないと自力で解けるまでたどり着けないと思います。


算数教材塾・探求の最上位の思考系教材「グランプリ算数」を対話式で解説しているのはその理由です。

ちょっと解説を見て分かったらまた自力というくり返しがしやすいと思います。

分かりやすい解説も目指していますが、それ以上に、途中で、手放しやすい構成を目指しています。


いままでの内容は、どちらかというと、思考系の問題の接し方の話でしたが、典型題は少し異なります。

考えることができるお子様は同じです。

才能を磨くために、自己流で構いませんので考え抜いてください。

保護者もそれが効率が悪いなどととらえてはいけません。


例えば、効率のいい暮らしとは、食事は栄養のバランスのいいサプリメント、交通は電車かレンタカー、服はジャージ、書いていくとキリがないので止めておきますが、ちっとも楽しくないわけです。


それと同じで、効率の良い学習というのは楽しくないのです。

考えるということは、算数を楽しんでいるわけなので、それをダメというのは愚策です。

楽しいからこそ力がつくという王道を無視していることになります。


典型題で、考えることが得意ではないお子様は、やはり2分で終了です。

解説を見て、同じようになぞって書いてみましょう。

翌日以降に再度解き直すことが絶対条件となります。


他の問題があるというのなら、優先順位を変えてください。

再度解き直さなければ、その問題を取り組んだ意味がありません。


塾で一律に10分で止めてくださいとか時間制限をする理由は、他の科目が疎かになってしまう恐れがあるからです。

算数を考えることが好きなお子様はそればかり考えていて、他教科が低迷ということがあります。

入試で合格をさせたい進学塾ではそれは由々しき問題です。


考えられる子はしっかり考えて欲しいですが、他の科目も心配ということなら、算数を他の3科目が終わってから好きなだけやればいいと思います。


1つの問題を1時間以上粘るなんてことができたら、相当な力になると思います。

もちろん、1時間考えることはノルマではありません。

お子様の意欲を止めないということです。


長い時間考えることが大切などとアドバイスする必要すらありません。

難関校を目指すのなら、1問1問をじっくり考える学習が必要です。

考えることが好きなお子様であれば、どんな教材でも良いでしょう。

何を食べても血となり肉となります。


しかし、現在、考えるのが苦手だけど難関校に行く力をつけたいという場合は、上記のような2分考えて分からなかったら解説を見て、分かったら、再度自力で解くというような学習ができる解説が手元にないと厳しいと思います。


市販でそういう解説はなかなかないような気がします。

「これがベスト解説だ!どうだ!」というものばかりな気がします。

解説執筆者の力量のお披露目ではなく、お子様の力をつけることを念頭に置くと、対話式で小出しに解説していくスタイルがいいと思います。


今度はパターン別で考えてみます。


  1. 典型題は強く、思考系も強い
  2. 典型題は強く、思考系は弱い
  3. 典型題は弱く、思考系は強い
  4. 典型題は弱く、思考系は弱い


4パターンに分け、それぞれ応用問題にどれくらい時間をかければいいかを考えていきます。


1は、典型題と思考系のどちらが楽しいかで判断します。

典型題の方が楽しいという場合は、思考系から取り組みましょう。

思考系の方が楽しいという場合は、典型題から取り組みましょう。


学力の高い子は「弱い方」「面白くない方」から始めるのは勉強の鉄則です。


思考系から取り組む場合は、問題数ではなく、時間で切ると良いと思います。


2は、保護者が「応用力がない」と嘆くタイプです。

女子なら受ける学校によっては、それで通用しますが、男子がそれでは辛いと思います。


しかし、ここでのアドバイスは「典型題をさらに磨くことを意識した方がいい」です。

それと同時に、苦手な思考系の問題を、2日で1問などのペースで解くといいと思います。

解説をちょくちょく見て、自分の力で進めていく学習がいいと思います。


思考系の問題に力を入れるとリズムが乱れ、得意だと思っていた典型題ができなくなる恐れがあります。

思考系ができないということは、典型題を深く身につけていない可能性があるからです。

その場合は、典型題を軽視すると歯車が狂います。


3も保護者が嘆くタイプです。

「考える力はあると思うんだけど、ミスが多く、前半でポロポロ間違え、ミスがなければ偏差値○○なのに」というものです。


思考系の考える問題は、すべての勉強のトリにやるようにしましょう。

時間無制限で飽きるまで考え続けましょう。

考える力のある子は最終的にはミスは減ります。

放置していても減るというわけではなく、ミスを把握し、間違い直しをすることで解消するという意味です。


典型題は、思考系の前にやるので、それなりに練習すると思います。

「思考系に強い=入試に強い」 この等式は成り立ちますので、大切に育てたいです。


また、「考えるのが好きだけど、得意というわけじゃない」と思われる場合もあると思います。しかし、これは素質があると判断して3と同じ扱いをした方がいいと思います。

考えることが好きなわけですから。

情報の出所はテレビ番組の「ほんまでっかTV」で、信憑性に乏しいですが、まわりができると思いこんで育てた子どもは伸びるというものです。

ただの受け売りではなく、そういう体験もしたことがあります。


ラストの4です。

思考系云々言っている場合ではありません。

典型題を身につけてください。

思考系というのは、いままで身につけていたものをちょっと変形して使ったり、複数のものを組み合わせて使うわけです。

いままで身につけたものが不足していれば、思考系に強くなるわけがないと思います。


話が戻りますが、3の場合は、思考系はできるということは、最低限の典型題ができるけど、応用的な典型題は身につけていないとか、ミスが多いパターンです。

勉強順を工夫すれば改善されるレベルです。


思考系を強くしたいのなら、典型題を強くするというのが最低条件で、その上で、自力で問題が解けるように解説を見ながら粘っていく必要があるということです。


難関校を受ける場合には思考力が必要ですので、「素質がない」「地頭が良くない」などのマイナスな響きを意識することなく、タイプに合わせて正しく勉強をして欲しいと思います。


最近、何かで見て納得したのですが、受験勉強というのは競技種目で、競技という以上、弱いところをどれだけ克服できたのかが勝敗を分けるというものです。


例えば、浅田真央がトリプルアクセルができるといっても、もちろんそれも磨きますが、それ以外の要素に力を入れてレベルを上げなければ金メダルを取れないという話と似ていると思いました。