間違った思考力問題の取り組み方

query_builder 2015/04/10
算数全般
ハンバーグ

小学生はハンバーグがお好き?

今回は、まず、お寿司の話です。

私はいまは青魚が好きなのですが、20代半ばのときはウニ大好き人間でした。

北海道にたびたび行っては、市場で1枚3000円くらいのバフンウニを買って、ご飯にそれをすべて載せて超豪華丼にして食べてました。

コレステロールを気にして、最近はやりませんが…

ところが、小学生のころはウニは嫌いでした。 そのころは、ハンバーグ、うなぎ、ステーキ、とんかつ、コロッケ、グラタンあたりが好きだった気がします。


学生のころに防腐剤の多い苦いウニを食べて美味しいと思い、社会人になって、防腐剤の入ってないウニ本来の絶妙な美味しい苦さを味わってハマったと思います。


何が言いたいかというと、小学生のころの味覚と大人になったときの味覚がちがうというだけのことです。

ウニに限らず、ぶり大根とかアボカドとか今と昔では印象がちがいます。

本当のことをいうと、日本酒に合うものが好きになったという感じです(笑)



思考力問題は2種類ある

味覚のメカニズムはまったく分かりませんが、成長によって変わったのは間違いありません。 でも、いまでもハンバーグもとんかつも大好きですが(笑)


さて、本題に入ります。

今日は、思考力育成のブログです。

そのためには思考力系の問題を解かなくてはなりません。

思考力問題と言いましても、いろいろで、大きく2つに分類できます。


  • ナンバープレースやカツクロのようなセンスの必要なもの
  • ビルディングのようなテクニックの必要なもの (こっちから見てビルがいくつ見えるという問題)


センスの必要な問題は、低学年のころからドンドンやっていっても良いのですが、あまり中学入試には影響を与えないような気がします。

マイナスではなく楽しいからやるといった感じです。


効果がないのならやらない!と言われるとちょっと悲しいです。

算数パズルは投資的なものではなく、楽しむものです。


中学入試に出てくるのは、テクニックを利用しつつ、その場で工夫して解いていく問題なので、上記のビルディングのようなテクニックが必要な思考力問題です。



塾講師は思考力問題を教えるのが好き

ここで、塾講師の視点に立って思考力問題をとらえてみます。

塾講師の視点というのは解説のことです。


テクニック無しのセンスの問題は、はっきり言って解説したくありません。

解説が答えになってしまうからです。

「できるまで考えてごらん」 と言いたくなります。

あるいは数か所答えを教えてあげて 「残りは自分でやってね」 としたくなるかもしれません。


それに対して、テクニックを要する思考力問題は解説が楽しいです。

テクニックの披露、鮮やかな解法、見事な別解、縦横無尽に振る舞えます。


多くの塾講師は上のクラスを担当したいと言います。

それを聞くと、上のクラスの優秀なお子様はすぐに理解してくれるからやりやすいからだろうと思われるかもしれません。

それがちがうのです。

無きにしも非ずではありますが、それが最大の理由にはなりません。


思考力問題を扱うことができ、縦横無尽に授業ができるからです。

上のクラスでも倍数変化算とか、ニュートン算の授業はまったく面白くありません。



思考力問題の解説は○○

またまた、少し脱線します。

今度は少しだけです。

例えば、サッカーを見たとしてもやりたくはなりません。

経験もしていないし、走れないからです。


と、ここまで書いて思い出しました。

3年前にサッカーをやったことを。へばりながらも楽しかったです(笑)

もちろんミニサッカーです。


 野球は見るよりやった方が楽しいでしょう。

クルマのレースは見てもほとんど面白くありません。

自分で走りたいからです。


いまの3点で、


  • 得意なものは見るよりもやりたい
  • 苦手なものは、できないから見ているしかない


と言えると思います。

では、算数の思考力問題に戻ります。


思考力問題はだれでもやるべきというものではありません。

典型題に強く、十分基礎ができている子が取り組むべきものです。

単純に言うと、算数が得意な子どもが取り組みます。


そういう子達は、解説を聴くよりも解きたいのではないでしょうか。

逆に言うと、解説を聴きたがっている子には、その思考力問題を与える必要がないのではないでしょうか。

ノーヒントでどんどん解ける子はほとんどいないと思うので、ちょっとしたヒントを授業で聴くのなら良いと思います。

しかし、授業で答えまで言われてしまったら、充実感もないし力はつくのでしょうか。


思考力問題の解説を聴くことは学習効果なしということです。

上の見出しの○○にあてはまるのは「不要」です。



サピックスが難関中に強い理由

もう1回まとめます。


  • 解説もヒントもいらない子は、ほとんどいない
  • ヒントが欲しい子には、ヒントを与えたい
  • 解説が必要な子には、思考力問題を与える必要はなかった


生徒さんが答えを出したあと、ボソッと「こう考えても良いね」とか、苦戦して答えが出ていないとき、「こういうこと考えてる?」くらいの補助はあった方が効果的ですが、それ以上の解説はプラスになることはなく、むしろ時間のロスです。


サピックス生は「中学への算数」を取り組んでいる子が多いと思います。

授業時間も短いので、授業中に思考力問題の解説などはあまりしていないと思います。

それに対して、ライバル塾は「うちの子たちはしっかり解説しないと身につかないから思考力問題も解説する」と手厚く指導しています。

こういうことも、難関中の進学実績に関係があるのではないでしょうか。

「できる子が通っているから」と言ってたら、塾として進歩なしです。



考える力をつけたいのなら

冒頭のウニの話をからめたいと思います。

お子様やお子ちゃま味覚の人に、高価なウニを与えてももったいないです。

「苦い~」と言われておしまいです。


思考力問題ができる下地のないお子様に思考力問題を与えても「難しい~」と言われておしまいです。

そういう子に、しっかり解説を聴かせてポテンシャルアップを!と考えがちですが、それは無理です。

ウニが美味しいと思えない子に、美味しいと思わせる方法はありません。


しかし、前述のヒントの出し方が巧みであれば、お子様の良い道しるべになって、レベルの高かった思考力問題を、身の丈に合った問題に変化させることは可能です。


対話式スカイプ指導は、そういうことを目指して、教え込まず、「お子様の考え方を聞く」「解き方を見る」「解き方のアドバイスをする」 という3つの方針にしております。


思考力問題でも、過去問等の難問でも同じですが、「授業で解説を最後まで聴かないこと」「解説書を見るとき最後まで見ないこと」 この2点を心がけていかないとレベルアップしません。

考える力をつけたいのに、中途半端にしか考えさせずに答えを言ってもダメということです。


特に過去問は、これがしっかり理解できれば受かる可能性が高まると考える保護者が多いですが、それは逆効果です。

解説を見て最後まで理解する勉強より、なかったことにして放置した方が良いです。

力をつける問題と力を試す問題があって、これは力を試す問題ととらえると良いかもしれません。



思考力問題と典型題

まとめに入ります。

いままで書いてきたのは思考力問題についてです。

型題とは扱いが大きく異なります。

典型題は教え込む勉強も可です。

立体図形や平面図形は典型題の要素が強く、思考力問題の扱いではなくても力がつくと思います。


対話式スカイプでは、典型題も教え込まずに、書き方の指導をし、枠を書くところまで教えます。

あとは、その枠にお子様自身で数字を入れていく流れにしています。

ご家庭では、典型題と思考力問題の仕分けは難しいかもしれません。

塾講師なら仕分けはできると思いますが、厄介なことに、授業で思考力問題も扱ってしまいます。


理由は、上記の通り、気持ち良いからです。

気持ち良いこと(鮮やかに解く)をして、生徒達の顔が晴れやかになっても、生徒達は思考力がつくわけではありません。

サッカーを見て感動してもサッカーが上手くなるわけではないのと同じです。

そこを誤解する塾講師はかなりいます。



思考力をつける家庭学習

最後に家庭学習の参考例を書いて終わりにします。


  • 塾であっさり理解できた問題
  • 何回も出てきている問題


これは典型題だとして、しっかり解き方を身につける。

それとは別に、


  • 授業でやっていない問題で初めて見る問題


これがあれば、それは思考力問題だとして、解説は最後まで見ない。

解けない問題をがんばることはありません。

3分たって方針が思いつかなければ、それは小学生にとってのウニです。


解けない問題が続くのであれば、ヤル気がだんだん萎えてくるので、そういう問題集は時期尚早と判断します。

家庭教師や個別指導をご利用なさっている場合は、対話式スカイプ指導をご参考に、最後まで教えないで欲しいと伝え、ヒントだけにしてもらう。


思考力問題に強くなることは簡単なことではありませんが、不可能なことではありません。

しかし一朝一夕にはできません。

お早めの始動が良いと思います。