算数の基本ならできるのに…

query_builder 2015/04/14
算数全般
基本

算数の基本とは?

今回はいきなり本題に近い話です。

算数の基本とはなんでしょう?


突然問いかけましたが、答えはありません。

本当の基本とは、円の単元なら、円周の長さや長方形の面積の公式が基本です。

円の面積だって、三角形の面積だって、長方形の面積の応用です。



全体から白い部分をひくとか、形を変えるとかは完全に応用です。

しかし、そんな分類をしてもまったく役に立ちません。

「基本概念の公式=基本」で、その他はすべて「応用」ならば分類するだけ無駄です。


でも、せっかく「基本」「応用」という言葉があるので、それを利用して分野の体系を分かりやすくするために、都合よく使って分類しているだけだと思います。

つまり、基本というのは、ひとりひとり言う人によって基準がちがうということです。

私が基本と思っているものが、A講師にとっては応用だったり、その逆があったり。


このブログでの基本とは、テキストの例題に載っているシンプルな問題を基本と呼ぶことにします。

予習シリーズには例題の中で、難しめのものは応用例題としています。

あのレベルなら応用と言ってもいいかもしれませんが、私は、それをも基本と呼びます。


理解するのが難しい基本と呼ぶかもしれません。

私が若いころ、保護者様にムッとされたことがあります。

私が「基本が不十分だから点数が低迷している」と言ったときです。

私の伝えたかったのは「典型題をきちんと身につけていない」と言うことですが、保護者様は「基本ができていない」と聞いた時点で、ダメ出しされたと感じたのでしょう。


それ以来、私は「基本ができていない」という言葉はできるだけ使わないようにしました。 「根幹となる問題をしっかり身につければ…」と変えました。

これを処世術というのでしょうか。

保護者様が「根幹と枝葉に分けて取り組めば良いのですね」と晴れた表情でおっしゃることが多くなりました。




基本ができる3タイプ

基本の定義を説明したところで、表題の「基本ならできるのに…」というお悩みについて考えていきたいと思います。

まず、応用ができるできないは置いておき、基本のでき方を3タイプ挙げます。


  1. きちんとていねいに解いている
  2. 公式を身につけている
  3. 雑に解いている


これですべてかと思います。

1つ1つ考えていきます。


1は綺麗な階段を昇るように少しずつ難しい問題に挑戦すればいいと思います。

難しいと感じた問題は諦めてしまう可能性があります。

徐々にレベルを上げることがポイントです。

レベルを上げなければ伸びない場合があります。

基本はできるけど、応用はできないという1のタイプのお子様で、応用の練習をしていないからでは?と思ったことがいままで幾度となくあります。

練習をしなければできるようになりません。

水泳でも徐々に無理をすることで一人前に成長していくと思います。

そんな感覚です。


2のタイプは、暗記の算数を否定する算数教材塾・探求では、かなりまずい状態だと判断します。

算数は暗記科目という講師や、テクニックの伝授が多い○○塾ならば良しとされるのかもしれませんが、私はそれを「基本ができる」とは言いません。


例えば、典型題で、当選者4人で、全投票数100票のとき、最低□票以上で当選という問題があります。

100÷(4+1)+1=21票という式で求められます。

しかし、この公式を覚えていったい何になるのでしょう?



生徒さんに「これどうやって解いたの?」と聞いたときに、こういう公式で答えられると、ゾッとします。

小学生で公式で答えていいのは、錐体の体積だけだと思います。



こういう状態に陥っているお子様を救う方法は単純です。

理由を言わせる。

これに尽きます。


そして、最後、3のタイプです。

これが今回のブログの重要テーマです。

これ以降は、この3のタイプについての内容が多くなります。


雑でも基本ができるとはどういうことでしょう。

それは、基本問題はシンプルなために条件が少ないのです。

1つの式でスパッと答えが出るような問題が多いです。

なんとなく分かっているという状態のお子様だと、条件が多い応用問題になると混乱しがちですが、条件の少ない基本問題なら、なんとか答えが出てしまいます。

つまり、基本問題が混乱をしない限界ということです。


3について、もう少し言及します。

例えば、基本テストが100点中90点で、応用テストが100点中30点で、合計120点だとします。

得点だけを見ると「基本は大丈夫!」「課題は応用問題!」と思ってしまうかもしれませんが、上記の話をご理解くだされば、その判断はまちがっているとお分かりだと思います。

基本ができていないから、基本問題のような単純なものしか通用しないと考えることが大切です。



応用はできるようになる?

今度は1~3の3タイプの応用力がつくまでを考えていきます。

1のタイプは女子に多いと思います。

応用ができるまでに時間がかかりますが、女子中入試では応用力を問われにくいです。

常に少しの背伸びをしていく感覚で、女子中入試に対応できるレベルに達していく子が多いです。

いわゆるベストセラー(!?)の四科のまとめをコツコツやっていくタイプです。


思考力向上を目指すならば、また別のプランを立てて取り組んでいく必要があります。


2のタイプはいつになったら応用ができるとかの次元ではありません。

基本もあやふやです。

理由を考えるようになったら、いきなり応用までできるようになるかもしれませんし、ならないかもしれません。

とにかく理由を考えることが大切です。


3のタイプの課題は、ていねいに枠を作って、その型にあてはめていくようなレイアウトを重視した解き方を身につけることです。

現在、基本はできてしまっているので、良い解き方(書き方)ができれば、応用までできるようになる可能性があります。

冒頭でも書きましたように、算数ではここまでが基本でここからが応用などというものは本当はありませんので、雑に解く悪い習慣が改善されれば、上限は引き上げられるはずです。



模試終了後がチャンス

先ほども書きましたように、今回のブログは3のタイプのお子様の改善法を書くことがメインテーマです。

ていねいに枠を書いて、その型にあてはめて解くようにすれば良いと書きましたが、言葉でいうのは簡単ですが、なかなかその変身は容易ではありません。

保護者が言っても言ってもなかなか変わりません。

それで変わるくらいなら、全員、優等生です。



昨日、ある保護者様から「東大出身の芸人が期末テスト後に勉強すると効果があると言っていた」と聞きました。

実は、私も昔、そういうアドバイスを聞いたことがありました。

実行しようかと思いましたが、テストが終わった開放感が勝ってしまい(それも圧勝)、実行できませんでした。

頭では分かっているんだけど行動に移せないという弱さは、多くの人間が持っているのではないでしょうか。


ていねいに解くようになる転機は、模擬試験のような大きなテストが最大のチャンスだと思います。

中途半端な点数を取るより、ガツンと悪い点数を取ったときの方が心を入れ替えるきっかけになります。

膿を出すというのでしょうか。


「この問題どう考えたの?」

「こう書いた方がいいよ」

「はい。書いて!」

↓「書けばできるでしょ♪」


という流れになりやすいです。

150点で130点くらい取れたテストで、正解だった問題をいまのようにアドバイスしても、絶対、お子様は右から左に抜けていきます。


模擬試験は、特に6年後期になると志望校判定の要素が強くなります。

1点でも多く取って良い判定を目指したいと思うことでしょう。

しかし、私は常に「模試は弱点強化」のためです。

力がついてくれば、模試で高得点を狙わなくても自然と取れます。

要するに気の持ち方の問題です。


模試を受けるごとに必ず弱点は発見できるはずです(高いレベルの話になるかもしれませんが)。

お子様が、模試で良い点数を取りたい!と思うのは良いと思いますが、保護者の目線であれば、弱点をここで一掃したい!と考えるのが吉だと思います。

ということは模試が終わったあとの保護者の分析力も問われます。

合否可能性ではなく、弱点の発見という意味です。

分析力は、当ブログも含めまして、いろいろ情報収集して上げていくと良いと思います。