中学受験の算数は計算が大切?

query_builder 2015/04/17
算数全般
そろばん

計算問題はできて当然

入試においての計算問題は、複雑でもがんばれば正解にできます。

合格のためには、そういう問題を決して間違えてはいけないと思います。

塾講師で、計算が大切という人はとても多いです。

入試の計算問題を確実に正解にすること以外に、問題を解くときに計算をするから、そこで間違えないようにという意味も含まれていると思います。


私は、計算問題は正解にできるのが当然だと思いますが、だからと言って大切だとは思いません。

大切というと、日頃から計算練習をしっかりという意味になってしまいます。

私は、計算は1日1問で良いと思っています。

そのかわり、真剣勝負で間違えないようにという集中力は必要です。



計算と一行問題は大切?

私が塾講師を始めたころ、学研に計算問題の特訓という人気のある問題集がありました。

いまもあると思います。

面倒な計算がA5版の1ページに20問ぎっしり載っていました。

計算が重要という講師は、その問題集を課題に出すことが多く、自分が生徒の立場だったら拒絶反応を起こしていたかもしれません。

それくらい化け物のような問題集でした。


それにくらべて、日能研のマスター1095題は仏のような計算問題集でした。

1日3問で、なおかつ少しやさしめでしたので。

私はマスター1095題を指定教材にしました。

余談ですが、1095という数字の意味は分かりますか?

3×365=1095です。


計算が重要という講師は、さらに一行問題にも執着するイメージがあります。

私が前職に入社したころ、大ベテランの講師から一行問題のテストをやってくれと頼まれました。

かなり低いレベルのクラスだったので、そんなことより単元別でやった方が?と意見を言いましたが、一行問題ができないからやるの一点張りでした。


例えば、通過算が弱かったら通過算の練習をやればマスターできます。

規則性が弱かったら規則性の練習をやればできます。

でも、一行問題が弱い場合に一行問題を練習してもできるようになりません。

その論理が分かっていない講師が案外います。


塾では、単元別の学習に終始し、家での課題として、一行問題を扱うのがベストだと思います。 塾で一行問題をやることはもったいないと思ってしまいます。


やや脱線してしまいましたが、たしかに計算は、できて当然ではあります。

逆算や分数と小数の見極めは慣れが必要で、練習を怠るわけにはいきません。

でも、それを重要だと思ってしまっては残念です。

日常生活に例えると、歯磨きが重要というようなものかもしれません。


一行問題は、家でコツコツ取り組んで、解説を見てすぐに分かるものとそうでないものに仕分けし、分からないものはしっかり単元を絞って特訓するべきだと思います。

これが6年生の計算問題(一行問題も含む)に対する接し方ですが、今回はどちらかというと低学年を対象とするブログになります。



なぜ公文は人気がある?

小学校低学年の間は、計算と思考系のバランスが大切だと思います。

算数教材塾・探求としては、戦略としての先取り学習は勧めていません。


思考系は興味を持てばやればいいし、そうでなければ無理にやる必要はないと思っています。

これをやらせれば確実に力がつくというものはありませんので「好きならやらせてもいいかな」くらいの位置づけだと思います。


それに対して、計算練習はやればやるほど力になります。

「小学生低学年といえば公文」というくらい公文のシェアは高いと思います。

今回は少し公文にも視線を向けてみたいと思います。


私も自分自身、小学2、3年生の間は公文をやっていました。

Fくらいで終わったと思います。

辞めた理由はつまらないからです。

ところが始めた理由は面白いからです。


小学校に入ると、勉強に好奇心を持つと思います。

ところが小学校の勉強は簡単すぎて、知的好奇心などを満たしてくれません。

何か刺激が欲しい! その心の隙間に公文が入り込んでしまう感覚だと思います。

しかし、いざ始めると、最初は新鮮な感覚ですが、すぐに飽きます。

単純で面白くないです。

勉強に面白さを求めない小学生は、公文をじっくり取り組むのかもしれませんが、飽きる子は多いことでしょう。

自分の体験をみなさまにもと言うわけではありませんが、公文がつまらないものと悟るまでの間、公文に打ち込むのは良いことだと思います。


よくよく考えると公文を始めるきっかけは、学校の勉強は簡単すぎるからです。

公文の教材が素晴らしいからではありません。

それなら、市販の教材でも、百ます計算でも何でもいいのではないでしょうか?

レベルを上げれば興味を持つと思います。

時間を計るなどの演出をすれば、しばらくは楽しめると思います。


先ほど、私は公文でFくらいと書きましたが、ときどき低学年でHとかIとかJまで進める子もいると思います。

これも思考系の教材と同じで、今後につながっていかない可能性があります。

お子様が意欲的にドンドンやるから、仕方なくIとかJまでやらせているのであれば良いですが、保護者が先導して先へ先へ進めるのは、お子様の血や肉とはならないような気がします。



計算は2種類ある

これまで大雑把に計算と書いてきましたが、ここから計算を分けます。


  • 単純なかけ算とかたし算(桁数はある程度多い)
  • ( )があったり逆算があったりの複雑な計算


複雑な計算は、先ほども書きましたが、6年生は1日1問で良いと思います。

5年生なら2問、4年生ならそれほど複雑にならないので4問くらいが良いと思います。


しかし、その計算練習は、入試の最初の計算問題ができるようになることと、割合の一部の問題で計算力が問われますので、それに対応するためにやっています。

用途はかなり狭い範囲と言えます。


それに対して、単純な計算はあらゆる問題で役に立ちます。

役に立たないのは、場合の数や推理の一部の問題だけだと思います。


高学年で、計算練習をしなければ!というと、複雑な計算の練習をやるイメージかと思いますが、前述の通り、単純な計算を短時間で多量に解いた方が算数全般の力になります。


最近、スカイプ指導をほぼ毎日していますが、せっかく直に見られるので、検算の仕方を教えるようにしています。


例えば、消去算で「リンゴ3個とミカン2個で510円、リンゴ4個とミカン5個で890円」という問題があったとします。

答えは、リンゴ110円で、ミカン90円となるはずですが、その後、どちらか1つの式に入れてみます。

「110×3+90×2=510円!」「はい、OK!」


これを双方向の検算と呼んでいます。

求めた方向とちがう方向から確かめて成り立つかを調べることです。

ミスは、癖が出るので、同じ計算で検算をしても同じところで間違える可能性は高いかもしれません。

ちがった角度から確かめると間違えにくくなるのは納得されると思います。


もう一例、あげます。

七角形の角度で6つが分かっていて、残り1つの角度を求めるとしたら、900度から6つの角度を順にひいていく方法と、6つの角度の和を求めて、900度からそれをひいていく方法の2方向から確かめます。

そのように生徒さんにアドバイスをしても、あまり守ってくれません。

なぜかと申しますと「時間がかかる」「面倒くさい」という理由だと思います。


では、なぜ私はその検算を勧めているかというと、それくらいの計算はあっという間にできるからです。

ささっと別方向から計算をすることができるので計算し、確実にあっているか確かめてから次に進むことができます。

間違えたくないときは、必ず双方向の検算をするようにします。


このような計算力をつけるためには、上記の複雑な計算練習と単純な計算練習のどちらが有効でしょうか?

答えるまでもありません。

単純な計算練習です。



計算力をつけて算数で活躍しよう

いままで何回か書いていますが、私は公文を始めた小学2年生のときにAとBを3巡ずつやっています。

合計1200枚です。

弟は2巡しかやらなかったので、当時は損した気分になりましたが、それが計算力を築いたと言ってもいいかもしれません。


計算力の向上で「授業についていきやすい」「双方向から確かめられるので正答率が上がる」ことができ、さらに、「解き方が分からないときは高速であてはめて答えを見つける」という最終兵器もあります。


低学年なら、好奇心のあるうちに単純な計算を多量にやらせ、4年生以降は複雑な計算は少量を集中して、それと並行して引き続き単純な計算をすると良いと思います。

20×20まで暗算でやるインドが情報系が強いとは前から言われていますが、最近、計算ができると思考力が上がるということを唱える人が増えてきました。

それの真偽は分かりませんが、思考力を抜きにしても計算力があった方が良いです。


そして、その計算力とは単純な計算を多量に一気にやる力です。

複雑な計算をやることではありません。


  • 小学4年生なら30×30まで
  • 小学5年生なら100×50まで
  • 小学6年生なら100×100まで


ここまでスラスラできる計算力があれば、算数で苦戦することなく順調にいくと思います。

そんな曲芸のように計算をできるはずはない!と思われるかもしれませんが、徐々にハードルを高くしていくと到達しやすいと思います。

10×10まではあたりまえなので、15×10まで、それができたら20×10まで、というようにです。


サッカーのリフティングも曲芸みたいなものですが、日頃からボールで遊んでいると難なくできるようになると思います。

単純な計算を極める!という姿勢で中学受験の算数を乗り越えてくださればと思います。