保護者が算数を教えるときの留意点

query_builder 2015/05/08
算数全般
両親

正しい解き方を教えることは…

先日、実弟の邸宅を訪問しました。

なかなか立派な家でした。

「明日、庭でバーベキューしようかな」と言ってました。

娘さんも元気そうで。

兄弟の紹介ブログではありません。

娘さんがちょうど小6の受験生なのです。


いろいろ質問されるのかと思いきや、質問は質問でもクルマの質問ばかり。

「車高が低いと良いことあるんですか?」 etc


その娘さん、私の目の前で、お父さん(実弟)に算数の質問をしました。 実弟は、日頃よく教えているそうで、灘中の入試問題も解いたそうです。

「時間内に終わらない」「満点は難しい」と言っていました。


娘さんは質問するときに、なんとテキストのみ持参です。

お父さんもそのことについて何も言わない…

さすが、算数ができるお父さん、問題を見て、すぐに解き方が分かる。


父「簡単やろ?」

娘「なんぼ?」(ここは違うかも)

父「Aが空や!」

娘「問題にAに水が入っとるって書いているやん!!」

父「それは最初やん!!!」

中略

娘「分かった。もう大丈夫や♪」


こんな流れでした。

問題を見てないのでなんとも言えませんが、こういう教え方をする保護者は多いかと思います。

算数に自信のある方は解説無しで、自信のない方は解説を見てということになりますが、それはあまり関係がありません。


気になるポイントは、正しい解き方になるように導きたいという意思が強いことです。

自分の解き方に自信があれば「こうやって解きなさい」、解説を見た場合は「この解説と同じように解きなさい」というようなことです。

解けるようにするためには、正しい解き方を身につけることに尽きますので、普通に考えると、まったく問題ないように感じるかもしれません。



お子様に「うん」と言わせない

質問するとき、子どもはどう考えているのでしょう?

分からないから質問にきたのに、なんとなく「分かった気がするかもしれない」と楽な方向に行きそうです。


塾講師は、よく「ちょっとでも分からなかったら質問しなさい」と言いますが、子どもは「解ける=分かる」なので、ちょっとでも分からないという概念がないかもしれません。

この次にこれが出たらできるかどうかまでは考えるかもしれませんが、これにひねりが入っても通用するかどうかということまではきちんと考えないでしょう。

簡単に言うと、その問題が解けたら終わりです。

だからこそ、簡単に正解に辿り着くレールに乗せたくないのです。


具体的には、子どもに安易に「うん」と言わせるような教え方は避けるべきです。

「うん」じゃなくて「はい」という躾の意味ではありません。

「うん」「うん」頷いてレールに乗って、自然と到着では、次に生きない場合があります。


子どもが「こうやって解けば、一応、答えは出るんだけど」と言うフレーズは危険信号です。

テクニックを身につけるだけでも、センスがあれば徐々に自分のものになっていきますが、そうならずに、時がたつと忘れて消滅という経験は多くの方があることでしょう。



具体的な関わり方

前述の実弟の娘さんの例に戻ってみます。

まず、私なら、確実にノートを持ってこさせます。

解けない欠点はどこかを探します。

模範解答通りでなくてもいいのです。

力尽くで解く解き方は、雑草の強さのように足腰を鍛えます。


解けないということは、途中で止まってしまったか、間違っていることをやっているかのどちらかです。

途中で止まっているのなら、「この条件を使えない?」と言うことが多いです。

大抵はその条件を使うスキルがないので、その使い方を教え、「次回は使おうね」としますが、できるだけお子様に「うん」とは言わせないように言葉を選びます。


間違っていることをやっているかどうかは、解いた跡を見ないと分かりません。

癖になっている恐れがあるので、きちんと指摘しないと何回も間違えたことをやるかもしれません。

そのときは「うん」という返事でいいです。


上記の娘さんの質問で、Aの容器が空になることが分かっていないと思ったら、私なら逆のことを聞きます。

「Aには水はいくつ入っているの?」 というようにです。

答えようとして考えるほど、矛盾点を感じ嫌な気分になることでしょう。

そこで、助け船を適当に出していくと、子ども自身が容器が空になることを分かります。


ここからが大切なのですが、「よし!それでいいよ」とはせずに、必ず理由を言ってもらいます。

「どうして空なの?」というようにです。

ようやく子どもが正しいことを言ってくれると、つい、嬉しくなり先に進めたくなりますが、粘り腰が必要です。


保護者にとっては、この手の問題の基本的な流れ、背景、出題意図、こういう問題の出題頻度まで伝えることは難しいですが、この問題を題材に、少々広げられるといいと思います。


模範解答に近づけるのではなく、お子様の間違っているところを発見し修正していくという姿勢が重要です。

論理が間違ってさえいなければ黙認でいいです。

容認の言葉の方がいいかもしれません。


要するに、教える方が受け身になるべきです。

野球で言うとキャッチャーです。

リードはするけど、抑えられるかどうかは、あくまでもピッチャーのコントロール、緩急、キレ、球威次第です。



保護者の力はやはり重要です

話を大きく変えます。

塾講師は、実は生徒の家庭での様子が分かっていません。

私も家庭教師をプロ意識でやるようになって分かりました。


「分からない問題は質問に来なさい!」「親は弁当作り&教材管理!」

と平然という講師は、ご家庭の苦労がほとんど分かっていません。

4年生のころは必死に勉強面を支え、自学の仕方が身につけば徐々に手を放しますが、算数や理科はお子様任せにはできないことでしょう。


授業中の理解力が高い子どもなら、分からない問題は質問とか、放置でも大丈夫ですが、クラスには上位の子もいれば、必ず中堅以下の子もいます。

中堅以下になってしまったらそこから脱出する作戦を立てなければなりません。

教え込むことが良い作戦だとは思いませんが、そうせざるを得ないのだと思います。


私が保護者の立場なら、「塾講師に質問する問題」「私自ら教える問題」「飛ばしと指示する問題」に分けます。


難しい問題は時間がもったいないので飛ばします。

基礎が根本的に分かっていない場合は、塾講師に連絡を取って教えてもらいます。

よくよく考えて不思議なのですが、なぜか塾講師は無料で教えてくれます。

クルマの作業で、作業ミスなどの不具合ならば無料でみてもらえますが、質問が出るということは、授業に不具合があるという理解で良いのでしょうか。


ちょっと脱線しましたが、話を戻します。

担当講師に慣れるためにも、とにかく積極的に無料質問は利用したいです。

しかし、お子様にとっても貴重な時間を使っていることを片時も忘れてはいけません。

かかっている時間を考えると、トータルでマイナスと思われるケースもよく見かけます。


難しすぎない1、2問程度の質問なら保護者の私がみてしまいます。

質問前後の時間が損失だと思うからです。



保護者も算数を…

こういうことを書くと、算数が分かっているからそんな理想的なことを言えると思われますが、それはそうです。

自分でも教えられるけど、トータルで考えて質問に行った方がプラスと考えてのことです。

さらに、飛ばして良い問題と飛ばすべきでない問題の判断は算数が分かっていないとできません。

つまり、受験勉強を優位に進めるためには、保護者も算数を勉強すべきだということです。


「そのために塾があるんです」と調子のいい塾講師は言いそうですが、

才能豊かなお子様ならともかく、保護者が算数ができる方が優位に立てることは間違いありません。

塾講師のポジショントークは参考程度に受け止めますが、受験勉強は、あくまでもライバルがいる競争です。


小4、小5の対話式算数で、全102話ありますので、1話分の本編を1時間で読めましたら、全102時間です。

簡単な単元はもっと短い時間で読めると思いますので、毎日1時間ずつで、2〜3か月で読破できます。


塾講師が「親は教えないで欲しい」と言うことがありますが、成績を保証しているわけではありません。

統計的なことから述べているわけでもありません。


教え込むことがプラスにならないからというのは1つの理由になっています。

教え込んでいるご家庭の生徒さんがとても苦労しているという姿を見た経験から語っている可能性もあります。


だとしたら、教えるのを避けるのではなく、教え込まない良い教え方で積極的に関わることがベターだと言えます。

家庭教師、個別指導という手もありますが、お子様と長時間接する保護者が算数をしっかり理解することの効果はとてつもなく大きいことでしょう。



まとめ

お子様に解き方を教えようという意識は持たない方が良いです。

ヒントは小出しで3つくらい言って、それでダメそうなら、その問題はハードルが高すぎという結論で良いです。

どこで、間違ったことをしているのかを見抜くことが大切です。

どうしてそういう間違いをしたのかという原因究明まですればベストですが、それは難しいかもしれません。


3問教え込むよりも、1問でもお子様の言葉で説明できるようになった問題がある方がプラスです。


最後になりますが、スカイプ指導のお客様から、先生(私のこと)に説明するようになって、授業の受け方がよくなったと思うと伝えられました。


適度な距離感のある人間にきちんと伝えようとすると、しっかり理解しなければならないという良いプレッシャーを感じて授業を受けるようになっているようです。

このブログでは保護者が教えることについて書いてきましたが、お子様が授業でしっかり理解すれば、保護者が教える必要はなくなります。

聞き上手になって、お子様の授業での理解力を上げて、教えることを避けるという裏技的な作戦もあります。

実行する価値のある作戦だと思います。