4年生は大きく育てたい

query_builder 2015/05/10
算数全般
大きく育てる

私は先取り教育が好きではありません。

出来過ぎて進むのでしたら、大きな意味がありますが、先取り教育が優れた作戦ではないと思っています。


塾の講師をやっていると、先取り学習をやっている子もやっていない子も分かりますが、それとは違う基準で、スケールの大きい、小さいで見ていました。



インターエデュでは地頭、素質と産まれた瞬間に能力は決まっているというような書込みが目立ちますが、スケールの大きさは変化します。

スケールが大きくなったなと感じるお子様もいますし、以前はもっと思考系が強かったと思ってしまうお子様もいます。



先取り学習がスケールの大きさにどう関わっているのかは何とも言えませんので、効果の有無は人によることは確かです。

冒頭で好きではないと書いたのは、先取り学習をすれば優位になるという発想が好きではないのです。



先取り学習をしても、深めることができなければ、飛び級制度がなく小6の2月に受験と決まっている以上、結局、あとで追いつかれます。



もう少し具体的に書きます。

「つるかめ算」「過不足算」は4年生、「割合と比」は5年生前期、「速さと比」は5年生後期に学習するのがスタンダードだとします。


それを早めて「つるかめ算」を3年生、「割合と比」も「速さと比」も4年生に学習することにします。

そうすると、「割合と比」の応用や「速さと比」の応用を5、6年生の2年間みっちりできるようなイメージです。


しかし、両単元とも、そんな容易く理解できる分野でもありません。

先取り学習はやったけれども、レベル的に5年生の時点で「割合と比」や「速さと比」の典型題の反復練習までしかできなかったとします。


6年生で応用問題に取りかかるとしたら、5年生で「割合と比」や「速さと比」を初めて学習した生徒さんたちと混ざってしまいます。

いわゆる、追いつかれたというものです。


5年生レベルの基本典型題を2年間学習しても大きな効果があるとは思えません。

その問題のみできるという暗記の算数になりかねません。


ポイントは、レベルを上げた応用問題までやれるかどうかです。

それができるかできないかで、他の子よりアドバンテージがつくれるかどうかが決まります。

1学年先の学習をちょこっと触れるのではなく、応用までがっつりやっていくことができるかどうかです。

1学年先の応用まで取り組むのは、簡単なことではありません。

効果のある先取り学習を目指すのは、そういうことだと思います。


その考え方をベースにしますと、先取り学習でさらに応用と考えるよりも、既習単元の応用と考えた方が楽なのではないでしょうか?

英才教育というと先取り学習をイメージされる方もいると思いますが、私は応用問題をイメージします。


英才教育を否定しているわけではありません。

いま持っている知識を使って応用問題を解いていく練習を目指して欲しいです。

前職は授業時間が恐ろしく長い塾でした。

例えば、6年生は1週間に、


有料の必修授業が160分

有料の選択授業が200

無料の補習授業が440分


これはすべて算数の授業です。

呆れてしまいます。

しかし、これは効果があったのですが、なぜか上司は授業時間を減らしたい意向でした。

無料の補習授業は自習に変更しろ!という流れで、すっかり当時の面影はなくなりました。

これだけ授業時間が長い塾に入りたいと思われた方は、いまはもう普通の塾ですので、誤解のないようにお願いいたします。


コスト的な問題なら理解できるのですが、専任をそろえているのでコストではありません。

恐らく最上位クラスを上司が担当し、次のクラスを私が担当していたときに、最上位クラスから下がりたくない生徒の保護者が「下のクラスは自習が少ないからペースがつかめないから下がりたくない」というような交渉術を使い、それを真に受けて、補習授業よりも自習が望まれているんだと悟ったのでしょう。


塾講師は幼い人間が多いので、海千山千の大人の交渉術に弱いです。

そういえば自動車メーカーも、買う気のない人の買わない適当な理由を真に受けて、魅力のないクルマをつくってしまう流れですが、同じかもしれません。

木を見て森を見ずになってはいけないという強い意識が、経営には必要だと思います。


少々脱線していますが、当時は、膨大な授業時間があったので、いろいろなことを試すことができました。

実験と言っては失礼ですが、試行錯誤の末、4年生は「角度・面積」と「場合の数」がベストという結論に至りました。


和と差に関する問題(つるかめ算などの特殊算と呼ばれることが多い分野)の応用問題をやっても、


解けない→解説を聞いて理解はできる→次もできない



という繰り返しでした。


数の性質は論理が難しくなるので、やはり何度やってもできるようになりません。


規則性はテクニックを身につけていくと、イメージしないで計算で解くようになるので、足早の学習は弊害が大きいかもしれません。

また、規則性は、仕組みを理解しなくても差を求めてその法則で解いてしまう、質の低い演習になりがちな重大な問題点もあります。


立体図形は、それをやるなら、まず平面を極めるべきではと思います。

容積は、立体図形と分けて扱うものですが、比を使えるようになってからが勝負という単元です。


速さは、比を使えるようになってから、速さと比を学習することが大切です。


食塩水や仕事算は、割合の学習後です


そう考えていくと「平面図形」と「場合の数」しか残らないのです。

選んだというよりは、これしか残らないという消去法です。


平面図形は、角度や面積はやればやるほど力がつく印象でした。

毎週、授業で教えていると、成長しているのかな?と思うこともありますが、教材レベルがぐんぐん上がっていることを加味すると、恐ろしくレベルが上がっていると言えるでしょう。

選択授業で1年間平面図形を扱っていたのですが、その講座を取っている子といない子の差は大きすぎて形容できません。


場合の数は、問題のレベルが上がると「場合分け」というテクニックの熟練が欠かせません。

しかし、規則性の計算で処理というテクニックと違い、場合分けもセンスを求められますし、場合分けした後も計算を織り交ぜながら上手く数えるというセンスを求められますので、イメージ無視になるわけではありません。

むしろ、場合分けをすることによって、よりイメージを鮮明にさせます。



場合の数といっても5人並べる方法は何通り?のような単なる順列ではなく、4年生の能力を伸ばすのに相応しい問題がズラリと並んでいなくては意味がありません。


問題選択が上手くないと、場合の数の先取り学習になってしまいます。


地道に書き出す、数える、センス良く場合分けをする、センス良く数えるなどの練習をバランス良くさせたいです。


5年生になると、速さや相似を含め、比の概念の分野をしっかり学習する必要があり、6年生になると、数の性質、立体図形、速さの難問を解いていくことになります。

場合の数の学習に力を入れられるのは、小4しかありません。


先取り学習で、早めに割合と比に突入するより、4年生ならではの「角度」「面積」「場合の数」の応用問題にしっかり取り組んだ方がプラスになる気がします。


また、私は、場合の数は、算数の能力を上げる不思議な分野だと思っています。

これはいままで見てきた中での勘なのですが、間違っていないと思います。

能力を高めるチャンスは、10歳における「場合の数」にあると言いたいです。

4年生で、角度、面積、場合の数を学習したい場合は、「小4集中図形」「小4集中場合の数」をお勧めいたします。