親は算数を教えられない!?

query_builder 2015/07/10
算数全般
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先日、JAFのジムカーナレッスンに参加させていただきました。

クルマの話です。

1人のインストラクターに3人がついてマンツーマン指導というわけですが、私のインストラクターは前島親分といって、全日本ジムカーナ選手権で活躍するくらいの選手で、前島軍団の団長だと思います。


いきなり冒頭で

「自己流はある程度までいっても、そこで止まる。 しっかり理論を教わらないと上には行けない。」

とおっしゃっていました。


チームを率いている人の発言です。

全日本の表彰台レベルの選手の発言です。

クルマの話はこれで終わりです。

日記とか感想文ではありませんので、このあと「楽しかった」とか「役に立った」とか「親分と私のタイム差は何秒だった」とか書いても意味がありません。


いまの親分の話を中学受験に当てはめてみると、自学自習では難関中は無理となります。

自学自習でも難関中学に行けるとか、むしろ、応用問題は自学自習の方が強くなりやすいと常日頃言っている私の立場としてはどうしましょう…


しかし、中学受験の勉強ってそこまで本格的でしょうか?

大学院に行って研究したり、世界を驚愕させるような論文を書いたりというレベルまで行けば、良い指導者についた方が良いでしょう。

独学の自学自習では無理に決まっています。


でも、中学入試の問題を解くくらいのことは自学自習でも良さそうな気もします。

中学入試の問題は次元が低いから自学自習はできて、研究して論文にまとめるなどの学問は次元が高いから自学自習は無理とデジタル式に片付けたら少々腑に落ちません。


次元が低いものであっても、良い指導者に教わるに越したことはありません。

掲示板だけでなく、呆れた主張をする人は大抵デジタル的な考え方をしています。

「○○の結果を得るためには□□が必要、△△は不要」というようにです。


少しでも状況をよくするには工夫が必要というアナログ的な思考が大切です。

良い指導者に教わることと、教わらないことをくらべれば、だれでも分かることでしょう。

次元の高い低い関係なくです。


中学受験の算数は保護者が教えることができると思われています。

というか、教えている保護者が多いでしょう。

塾で「教えないでください」と言っても教えているでしょう。


しかし、教えることはとても難しいです。

どのタイミングで、どの言葉を選んで使えば良いかが難しいです。

だれでも良い指導者になるとは言えません。


しかし、せっかくお子様に教えるのなら少しでも良い指導者になるべきです。

文系だから理系だからは関係ありません。


例えば、初めての駅で降りて目的地を目指すとします。

親といっしょに目的地に向かって進むのなら簡単に辿り着けるでしょう。

大人でも方向音痴と自称されている方がよくいますが。


しかし、ひとりで目的地に向かうのは大変です。

いくつ目の信号を曲がってとか、セブンイレブンの角を曲がってとか具体的に紙にメモして、そのメモを見て進むことになるでしょう。

スマホナビを利用するのは親と歩くのと同意だとします。


では、次にそれを再現するときはどうでしょう。

前回、親といっしょに歩いて行った子は、今度はひとりでも行けるでしょうか?

センスの良い子は行けると思います。

そうでない子は行けないでしょう。


前回、紙にメモした子は、それを見れば今回も行けるでしょう。

つまり、どれだけ再現性がある方法で実行したかが重要なわけです。

目的地を目指して親が伴走するどころかリードしていたらダメです。


保護者がお子様に算数を教える場合も同じことです。

理解させればいいのではありません。

正しい手順を覚えさせることが大切なのです。

そこが指導者の良し悪しの基準と言ってもいいと思います。


塾講師でさえ、そういう認識がなく、理解してもらえるように上手くていねいに説明することに熱中してしまうタイプがいると思います。

保護者の場合は、塾講師以上に、理解させることしか見えていないとなってしまいそうです。


話をかなり戻します。

現在、力を入れて行っている対話式スカイプでは、生徒さんに解き方を説明してもらうことにウェートを置いています。

生徒さん自身が説明することによって、頭の中が整理され力がつくことは容易に想像できます。


しかし、それだけでは応用力、思考力が育ちません。

育つ子もいますが、それを一部のセンス溢れる生徒さんだけでしょう。


つまり、子どもに説明させるだけでは良い指導者とは言えません。

最近、「教えない」を売りにしている個別指導塾や家庭教師が目立つようになりましたが、本当に教えないわけではありません。

やや説明の比重を減らしているに過ぎません。

教えないなら簡単だ!と真に受ける人もいないと思うのでどうでもいいですが。


どのレベルの子どもであったとしても、自分のステージから1つ上がるためには、上記の親分の言葉のように良い指導者の力が必要ということです。

家で保護者が教える機会があるときは、極力、再現できるように、お子様が答えまでの流れを脳に刻んでいくような教え方を心がけるといいと思います。


そして、そういう関わり方をされたお子様は、集団授業であれ、参考書であれ、自分で勉強するときは再現性を意識して解く過程を身につけようとすることでしょう。


よく、「授業が楽しい」「よく分かる」と言っている子が家では解けないと言われます。

「分かること」と「できることは違う」というセリフで片付ける人が多いですが、それは考え方が粗すぎます。

解き方の過程を身につけようという姿勢で授業を受けていないからです。


解き方の過程を身につける方法は簡単です。

反復演習するときに、解き方が分かって雑に解いてもできる状態でも、


  • 省略しない(省略したいならば、何も書かない完全暗算なら効果あり)
  • 前回の解き方と同等以上の質で解く
  • キビキビと素早く


これら実行することがポイントです。

保護者は、お子様が正答を出すだけでは安心しないという姿勢が大切だと思います。