ミスを減らす方法

query_builder 2021/05/19
算数全般
ミスした人

ミスをなくしたいと思う以上に大切なこと

「ミスをしなければ偏差値○○だった」「ミスをしなければ合格判定○○%だった」とよく言われます。

ミスが減らないものかとお悩みの方はとても多いと言いますか、受験生の保護者全員の共通の悩みだと思います。


しかし、ミスがあっても良いのです。

ミスをしても、難しい問題まできちんとできていたら、良い点数、良い偏差値、良い合格判定になります。

満点勝負の模試ならば、そうはなりませんが、算数で偏差値60以上を目指すならば、150点満点で120点取れれば、偏差値60に届きますので、30点はミスしても良いわけです。


もちろん、そういうことではなく、実力で解けない問題もあるから、せめて、実力で解ける問題はミスを減らして、きちんと得点につなげたいということだと思います。


ですが、いま書いたことはおかしなことではなく、「ミスを減らしたい」という姿勢以上に「解法パターンを身につけたい」という姿勢の方が上に来ないといけないと思います。




ミスは5つに分類できる

ミスは次の5つに分類できます。


  1. 雑だから
  2. 心理面
  3. 余裕のなさ
  4. センス不足
  5. 技術不足


なんとなく分かりそうなものばかりだと思います。



雑だから

雑とは、字が汚いことによるミスです。


  • 「1と7」や「4と9」や「7と9」や「3と5」を見間違える
  • 書き写すときに見間違える
  • 小さい字や薄い字や筆記体の字で見えにくくなり見間違える


このようなものが考えられます。


自分で書いた字なのによく間違えられるな…と思いたくなりますが、多くの生徒さんに共通する事象なので、特別なことではありません。



原因が分かったら指摘すべきです。

よく、言っても直らない旨を聞きますが、そういう場合は、アドバイスの洪水になっている恐れがあります。

マシンガンのようにアドバイスすると、お子様はどんどん吸収して一気に別人のように成長するわけではありません。

聞いているフリをして聞いていない状態になります。


社内メールは、1メールで内容は1つと言われますが、アドバイスもそれを意識した方が良いです。

今回のアドバイスはこれだけというようにです。



心理面

解き方が分かったら、「油断」「安心」によりミスが出やすくなります。

これは性格面の問題かもしれません。

せっかく解き方が分かったのに計算間違えなどして台無しにしてしまうタイプです。

もったいないとしか言いようがありません。


解き方が分かった瞬間が最も危険なゾーンです。


これは性格なので直すのが難しいというわけではありません。

気合いとか気迫とか根性とか執着心ではありません。

方針が立つまでは大雑把に考えても良いですが、


  • 解き方が分かったら、そこからゆっくり解く
  • 字はゆっくり書く


このスピードの変化でミスは減らせます。

考えるときはゆっくりで、解き方が分かったらトップギアに入れて慌てて解くというようにスピードの強弱が逆の人もいます。

いますというよりも、多いと思います。


スピードの変化をつけることで心理的に落ち着きます。

すると、冷静になり、ミスをしにくくなります。

性格を変えようというのではなく、心理面を工夫してミスを減らすという作戦です。


書くのが速い子はミスしやすいというと異論が出そうですが、私の経験ではそう言ってもいいです。

遅く書く必要もありませんが、早く書く意識はない方が良いです。

数字を書くのがとても遅いという人は、速く書く練習をしておくと良いと思います。



余裕のなさ

たびたびブログにも書いていますが、ミスを減らすためには、この余裕が最も重要です。

例えば、小学6年生の受験生に、1問だけ2桁どうしのかけ算の問題を出したら、まず間違いなく正解になると思います。


しかし、模試などの文章題や図形の計算で、そのレベルの計算でミスする場合があります。

これは、計算問題にどれくらい集中できているかです。

文章題や図形の問題は、解き方を考えるのに頭を使ってしまうので、ミスしないようにとまで気が回らないからです。


対策は簡単です。

典型題を強くして、解くのに負担をかけないことです。

本番で余裕を持って解けばミスは減ります。


言いかえると、計算は対策せずに、算数全般の力をつけるということです。

計算問題はまずまずできるのに、どうして普通の問題で間違えるんだろうという場合は、この余裕が原因と考え、算数の力をつければ解決するとお考えください。

ミスの分析(間違えたところ、間違えやすいところを具体的に認識すること)ができれば十分です。



センス不足

算数はイメージを湧かせて解く問題が多いです。

仮分数だと大きさをイメージしにくいけど、帯分数だとイメージしやすかったり、円周率もパイだとイメージしにくいけど、3.14ならイメージしやすくなります。



算数の中でとてもイメージしやすいものの一つに時計算があります。

「長針と短針の角度」「重なる時刻」「左右対称の時刻」

どれも普通のアナログ時計をイメージできればだいたいの答えは思い浮かびます。


例えば、時計の長針と短針が重なるのは4時40分と答えが出てしまっても、そんな時刻に重なるわけがなく、明らかに誤答です。


  • ザッと大きさを概算して適正かどうか確認する
  • 現実的におかしくないか確認する


この2点を確認する習慣をつければミスは減るはずです。


そして、この2点を確認せずに明らかにおかしい答えを解答欄に書いてあると、採点する講師は「この子センスないな」と感じます。


ミスをするからセンスがないというわけではなく、機械的に解いていて、視野が狭くまっすぐしか見ていない状態だからです。

そういう視野の狭さは、いろいろなところで算数のハンデとして現れます。


問題文を読んでアプローチを失敗してしまった場合、まっすぐしか見えないタイプだといつまでも頭が働かず、どんどん鈍くなり、いつこの問題を諦めて飛ばすかの判断だけになります。


算数は解き方が分からなくても対処法はいくつかあります。



  • このくらいの個数だから書き出してみよう
  • 答えは整数だから当てはめてみよう
  • この答えで成り立つか試してみよう


美しい解き方ではなくても答えが出ればいいです。

前回の算数にチャレンジの問題は平面図形で、良い解き方が思いつきませんでした。

考えていくうちに、5:5:6の三角形があることが分かり、3:4:5の直角三角形が利用できることにつながりました。

それで面積が2箇所分かれば、算数の美しい解き方が分からなくても三平方の定理を使って強引に2次方程式で解ける予感がします。

そして、なんとか答えを出しました。


1問1問に対して、答えが出れば終わりという取り組み方ではなく、答えが合っているか、


  • その場ですぐに確認する
  • 違う角度から確認する(逆算で答えを求めた場合、正順で検算するなど)


テスト中だとその場で確認するのは時間的に厳しいかもしれませんが、家で勉強するときなら確認した方がいいです。


ミスを減らす目的で、そういうていねいな取り組みができていると、ミスを減らせるだけでなく、だんだんセンスが上がり、解き方のひらめき力が上がり、レパートリーも増えるのではないでしょうか。


次は、少々内容は変わりますが、センスに含めてしまってもいい話です。

算数の問題はきれいな計算で、きれいな答えになることが多いです。

計算過程は汚くても答えはスッキリきれいに収まることも多いです。

計算問題で、初め汚い数字のときは、答えが綺麗になることが定番です。


答えが汚い分数になったときは、もちろん誤答の可能性が高くなっているわけで、再確認の必要があります。

結局、その汚い数字が正答ということもありえるわけですが、再確認しないといけません。



私「その(汚い)答えは間違っていると思わなかった?確認した?」

生徒「あとで確認しようと思いましたが、時間がなくてできませんでした」

私「答えが出た時点で確認したくならなかった?よく平然と書いたね」


塾講師時代、ちょっと嫌みが入っていますが、よくある会話でした。

このように変な答えが出たときの違和感はとても大切です。


私のよく使う言葉で「勉強は常識の上に成り立っている」というものがあります。

これは、算数だけではなく、全教科共通のことです。

常識から見て、これはちょっとおかしいと思ったことは、立ち止まらないといけません。

それがセンスの向上に繋がるわけです。



技術不足

最後です。

いつも言っています書き方の問題です。


横の式を長く書いていけば、ミスが増えるのは必然です。

「式は横につなげない(そもそもあまり書かないようにする)」「筆算を近くの場所に書く」などして、表にまとめるようにして、できるだけ正方形の枠に収まるように書いていけば、視線の移動が減りミスが減ります。


また、計算というのは、とても負担が大きく、求められたときの達成感が大きいです。

4つ求めなければいけないところを、3つ目が大変のときは3つ目が求め終わったら、達成感でお腹いっぱいになり4つ目を求め忘れることが多くなります。


これは、性格というよりは、技術不足です。

初めに何を求めるかを書き出しておいて、求めるごとに、結果を記入していく方法でいけば、最後が無記入の状態で、終わった気分にはならないと思います。


「ミス発生!」「これから気をつけなさい」


これでは、この会話は無いものと同じです。

5つに分類し、それぞれ対処法を決めていくことが大切です。

もしかしたら、これ以上の種類があるかもしれませんが、それも対処法はあるはずです。


分類することによって、1つ1つ悪い癖を改善してステップアップして欲しいと思います。

ミスも能力のうちと言ってもいいですが、その能力は簡単に劇的に上げられるものです。