なぜ理解しないで解く習慣がつくのか

query_builder 2021/06/03
算数全般
小学校

なぜ、かけ算の順序を気にするのか


ときどき、かけ算で計算順序が話題になります。

長方形の面積は、小学校では「縦×横」と教わりますが、「横×縦」でも良いです。

見方によって順序が変わるので、どちらが良いということはありません。


容積の問題を平面化して解くときは、逆に「横×縦」の方がしっくりくると思いますが、それもこだわることではありません。


では、どうして世間一般に長方形の面積は「縦×横」となっているのでしょうか?

それは縦横という単語があるように語呂が良いというか、慣習化しているだけのことです。


方位の場合は、逆に東西南北というのが不思議です。

そもそも北が上というのも、理由はなく慣習化しているだけのことだと思います。


「横×縦」の計算式を書いて、×がつくと話題になりますが、どうして一部の小学校の先生は、×にするのでしょうか?


物事いろいろと批判する人は多いですが、やっている側にも理由があるわけです。

衝動的なものでしたら理由はないと言えばないですが、小学校の教諭が衝動的に×をつけているわけではありません。

その理由が理解できるかできないかは抜きにして、理由というものは存在しています。


それは、そのように覚えれば、算数がとても苦手な小学生でも正解にできるからです。

長方形の面積だとあまりにも簡単ですが、高度な内容になっていけば、覚えて正解にすることが大切になっていきます。

その第一歩という教育をしているのだと思います。

つまり、「先生の言う通りにしていれば、成績の良い人間に育つ」という躾のようなものです。


簡単に言えば「理解なんてしなくても点数が取れる人生の方が良いよね」という教育なのです。



マニュアルと勉強


例えば、電気製品を買ったとします。

自分の使いたい機能だけマニュアルを見て操作方法を覚えて、その電気製品を使います。


私は最近パソコンを買いましたが、ついに、ワードとエクセルをインストールするのを辞めました。

「一太郎(ワードのかわり)」と「花子」を駆使して教材を作っていますし、「JUSTCalc(エクセルのかわり)」を使って諸般のものを管理しています。

オールジャストシステムとしたわけです。


塾業界には一太郎派が多いと思うのですが、私は一太郎で教材を作り始めて25年です。

Windows95の時代から使っています。

一太郎で教材作りに必要な操作法はマスターしていて、図などは軽くかけます。


しかし、算数教材マイスターと呼ばれるのは否定しませんが、一太郎花子マイスターでは決してありません。

使ったことのない機能がたくさんあるからです。


しかし目的が教材作成なので、一太郎や花子の全機能を身につける必要などはないわけで、現状で十分ということです。


こういう感覚を勉強に当てはめてしまっている大人がいるのではないかと危惧しています。


点数を取るために必要な部分だけ解き方を覚えて偏差値の高い学校に合格する。

塾講師であれば、理解云々関係なく、テストで点数を取らせる。

点数を取らせる講師が優秀と勘違いしているケースも多いような気がします。


マニュアルを覚えて使いこなすような勉強で、テストで点数を取るというのは、私はとても怖いことだと思います。



なぜ暗記の学習になるのか


原理的なものに戻って、どうして1+1=2なのか?などと考える必要はありませんが、「意味が分からなくても、この解き方さえ覚えておけば点数を取れるよ」という指導は、かなり多いような気がします。

目的が、学習内容を理解することではなく、点数アップになっていますと、必要な部分だけ覚えてという暗記の算数の方が効率が良いです。


そういう環境で育っている子どもは、自然と暗記の算数になるのではないでしょうか?

暗記の算数になっているから、しばらくたつと忘れるというエビングハウスの忘却曲線の話が突然でてくるのだと思います。

あれは、理解云々関係ない電話番号などの暗記の話です。


教育業界全般的に暗記モードが溢れていますので、特に優秀で、自分なりに理解してつなげられる子のみが活躍できるというのが、学校教育であり受験社会だと思います。


理解せずに、教わったことを覚えるような勉強は、一時よく言われていた「指示待ち人間」の養成所みたいなものです。

麻布や武蔵などの特徴のある思考力問題は、学校の先生が、覚える勉強はダメという想いで出題しているのだと思います。

しかし現状は、覚えるような指導を受けながら、自分なりに理解できるスーパーな子が思考系の問題に対応できているわけです。


そもそもどうしてこのような状況になったのでしょう?


  • できないのはかわいそう
  • 理解しなくても点数が取れて、高校までは全員進学できるように


という公立ルートと、


  • 塾は点数を取らせるのが役割
  • 理解できなくても点数を取らせるメソッドがある
  • 入試で平凡な易しい単純な問題は誰でも解けるようになる
  • それならばと中高の先生が入試問題を難しくする
  • さらに理解することが難しく覚える算数になる


という私立ルートがあり、どちらでも理解が主となる環境に変更するのは難しいです。



理解の学習はご家庭の工夫が大事


理解重視で行くのならば、学校や塾の教育に頼っていては無理だと思います。

ある程度、成績や競争度外視で、理解することに専念するしかありません。


取り組み方としては、特別なものではありません。

そういう素材のものを探すだけです。

動画授業で理解重視のものがあれば利用したいです。

書物は対話式算数以外に理解重視の参考書があれば、それでも良いです。


理解していく子育ては、保護者が意識的に作らないとできません。

6年生になると、さすがに入試での得点力が気になりますが、6年生の夏までは、親子で、どういう学習方法が理解に必要かを考え、できるだけ多くの時間を理解にあてると良いと思います。


その姿勢が入試の結果にも繋がると思います。