自宅学習と動画授業の相性

query_builder 2015/03/24
通塾無しの中学受験
動画授業

新4年生や新5年生は、新学年がスタートし2ヶ月近くがたとうとしています。

授業をしっかり吸収し、家でスラスラ問題が解けるという理想的なお子様はほぼいないでしょう。

塾の授業で教わった上に、さらに保護者様がしっかりフォローして成績を保つことができる。

なんとも不条理な気がします。


どうしてかと言えば、分かることと解けることは隔たりがあるからということになります。

耳にタコができるほど聞くセリフです。


では、もう1歩深く踏み込んで、なぜ分かっても解けないのかを考えてみたいと思います。

それは受動的と能動的なちがいだと思います。


  • 歌を聴くのと歌を唄うことのちがい
  • スポーツを見ることとやることのちがい
  • 意見を聞くのと、意見を言うことのちがい


そんなところだと思います。

こう書くと、分かることと解けることが別物だと思ってもいいのではないでしょうか。


保護者様が必死にフォローしないと、解けるようにならないというのもあたりまえのような気がします。

しかし、通塾して授業を受けるだけで身につく子どももいます。


これはどうとらえればいいのでしょう。

いまの話では、分かると解けるは違うから、授業を受けても解けるようにはならないのでは?となってしまいます。


これは簡単なことです。

授業で問題を解くからです。

例えば、つるかめ算の第1回目の授業をするとします。


  1. つる7羽、かめ4匹で足は全部でいくつ?と解かせます。
  2. 2×7+4×4=30本です。
  3. 解説ついでに面積図を紹介します。
  4. つるかめ合わせて15匹、足は48本、つるは何羽?と解かせます。
  5. やり方を教えていないので、あてはめになります。
  6. さっきの面積図なら、あてはめじゃなくてもできるんだよと進みます。
  7. そして、ついに、つるかめ算の解法を説明します。
  8. それを使ってもう1問解いてみようか


こんな感じで進行していくと思います。


生徒が問題を解きながら進んでいくことはご理解いただけると思います。


授業内で、問題を解く時間を十分取っている授業ならば、授業が能動的になり、慣れてくれば家でも問題が解けるようになるというわけです。


いよいよ表題の動画授業です。

通塾無しで自学自習受験を選択したとして、そのメインを動画授業にした場合を考えます。


動画授業は思いっきり受け身です。

ライブ感覚はほぼありませんので、お子様が解いている様子を見ながら授業が進められることはありません。

それを見たあと、保護者がしっかり教えて解けるようにしなければなりません。

解ける状態にならずに塾から帰ってきた後のようにです。


通塾の場合は「塾で学ぶ」→「家で教える」という棲み分けがしやすいのですが(あまり良い流れではありませんが)、 自学自習の場合は「家で学ぶ」→「家で教える」というようになり、切り替えが難しいのではないでしょうか。

「動画を見て分かったはず。はい、終わり」となりそうです。


集団授業の場合は、同じ授業を受けたライバルと復習テストで勝負の場があり、がんばる目安がありますが、自宅で動画授業、そのあと演習だと、できなくてもこんなものかなと判断しがちだと思います。

「動画授業で分かる」→「あまりできないけど深刻に受け止めない」

これが繰り返されると「やはり自宅での自学自習の受験勉強じゃこんなものかな…」という結末が待っています。


ある程度しっかり身についた上での動画授業での確認ならば良いのですが、導入に動画授業を使うのは、私なら怖いと思います。


大学受験では、東進が動画授業に力を入れていますが、それはいいんです。

高校生だからという理由は半分当たっています。


大学受験の予備校は面白い授業をする

中学受験の塾は成績を上げる


サピックスに入社したてのころ、社長に、このように教わりました。

大学受験は、生徒が「予備校の授業でできるようになりたい!」とは考えていないと思います。

いたら問題ありだと思います。

「ちょっとしたきっかけを与えて欲しい」ということを予備校に求めていると思います。

それなら動画授業でも十分に役に立つと思います。

動画授業に対して、求めるものがちがうというわけです。


では、自宅での自学自習受験で、書物のテキストを使ったらどうでしょう?


理解するために読む


これだけで十分能動的な勉強と呼べるのではないでしょうか。

例えとして適切かどうかは分かりませんが、アルコールを飲み過ぎて、読書などはできない状況でも、ダラダラとテレビは見られます。

テレビは受動的だからです。


さすがに単元の導入のときに、ダラダラとは見ないはずですが、ちょっと分かりにくいと思ったときも立ち止まらずに見過ごしてしまいませんか?


そこが受動的になる要因です。

保護者様が隣についていてあげて、ところどころ動画授業を止めて、これはどう?などと問いかければ能動的に利用できると思いますが、それをしたらお子様のスタミナはすぐに消耗すると思います。

自分のリズムを崩されるのは、ストレスになるからです。


書物のテキストを読むことでも、お子様ひとりに任すと浅い読み方をして終わりという場合があります。

軌道に乗るまでは、読むときは、親子いっしょに読むことが欠かせないと思います。

ところどころ確認しても、動画を止められるようなストレスにはならないと思います。


書物のテキストなら「読む」→「解く」→「解けなければ元に戻って読む」の流れが確立しやすいのも特徴です。

それは、終始、書物だからです。

分からなかったら再度動画授業を見直すよりも隣に置いてあった導入箇所を見直した方が楽でストレスにならないと思います。


私個人的な意見では、自宅での自学自習の受験勉強は、書物をメインに使う以外は考えられません。

そして親子いっしょに読めるものとして、対話型教材が適していると思います。

特に、分かると解けるの差に大きな隔たりのある算数は、対話式の教材を探すのが良いのではないでしょうか?